動画撮影方法の完全ガイド|企業担当者が押さえるべき基礎と実践
- 3月30日
- 読了時間: 11分
「せっかく動画を撮ったのに、映像が暗い・音声がこもる・見せたい場面がうまく伝わらない」——そんな経験はないでしょうか。採用動画や会社紹介動画を内製しようとした結果、クオリティに満足できず、結局使えなかったという声は現場でよく聞かれます。
動画撮影は「なんとなくカメラを回せばいい」ものではありません。構図・照明・音声・カメラ設定など、押さえるべきポイントが多岐にわたります。ただ、基本を理解すれば、御社でも一定のクオリティは十分に実現できるでしょう。
この記事では、企業の採用・広報・マーケティング担当者に向けて、動画撮影の方法を基礎から実践まで体系的に解説します。機材の選び方から現場での撮影テクニック、外注を検討すべきタイミングまで、現場目線でお伝えしていきます。
≫ この記事で分かること |
≫ 動画撮影を始める前に確認したい「目的と企画」の重要性 |

撮影の話をする前に、まず確認しておきたいことがあります。それは「なぜ、誰に向けて、何を伝えたいのか」という目的の整理です。
目的があいまいなまま撮影を始めると、後から「伝えたいことが入っていなかった」「尺が長すぎて使えない」という事態が起こりやすくなります。撮影は制作工程のなかでほんの一部に過ぎず、企画がすべての土台となるのです。
→ 動画の目的を「1文」で言語化する
まず「この動画を見た人に、何をしてほしいか」を1文で書いてみてください。
たとえば「採用応募者に会社の雰囲気を伝えて、応募意欲を高める」「展示会来場者に製品の特長を60秒で理解してもらう」といった具合です。この1文があると、撮影すべき素材・インタビュー内容・尺感がおのずと決まってきます。
→ ターゲットと視聴環境を想定する
誰がどこで見るかによって、撮影のアプローチは変わります。
採用候補者がスマートフォンで見る → 縦型・短尺(60〜90秒)が効果的
展示会のモニターで流す → 横型・音なしでも伝わる字幕設計が重要
社内研修で繰り返し視聴する → 情報量を増やし、5〜15分の尺も許容される
ターゲットを具体的にイメージするだけで、撮影場所・人物・小道具の選定が格段にしやすくなるでしょう。
→ 簡単な撮影リストを作っておく
撮影当日に「あのシーンを撮り忘れた」という事態を防ぐために、ショットリスト(撮影リスト)を事前に作成することをおすすめします。
撮影シーンの番号
場所・背景
登場人物・アクション
カメラアングル(正面・斜め・俯瞰など)
必要な小道具・備品
このリストがあれば、当日の撮影がスムーズに進み、撮り直しのムダも最小限に抑えられます。
≫ 動画撮影の機材選び|初心者でも失敗しない選択肢 |

「どのカメラを使えばいいか分からない」というご相談は非常に多くいただきます。機材は高ければよいわけではなく、用途と予算に合ったものを選ぶことが大切です。
→ カメラの種類と特徴を比較する
機材の種類 | 特徴 | 目安価格(本体) | 向いている用途 |
スマートフォン | 手軽・すぐ使える | 0円(既所有) | SNS用・インタビュー補助 |
ミラーレス一眼 | 高画質・背景ボケ | 10〜30万円 | 採用動画・会社紹介動画 |
ビデオカメラ(民生用) | 手ブレ補正が強い | 5〜15万円 | イベント・セミナー撮影 |
シネマカメラ | 映画的な映像表現 | 50万円以上 | 本格的なブランド動画 |
内製を前提とするなら、まずミラーレス一眼カメラが最もバランスのよい選択肢です。SONYのα7シリーズやCanonのEOSシリーズは、動画品質・操作性ともに評価が高く、企業動画にも十分対応できます。
→ 三脚・ジンバルは「安定感」のために必須
手持ち撮影はブレが生じやすく、視聴者に「素人っぽい」印象を与えてしまいます。三脚(液晶雲台付き)は1〜3万円程度から入手でき、映像の安定感が格段に上がります。
歩きながら撮影するシーンがある場合は、電動ジンバル(2〜5万円)を使うと、なめらかな動きの映像が実現できるでしょう。
→ 音声機材は映像と同じくらい重要
意外と軽視されがちなのが音声です。カメラ内蔵のマイクだけでは、環境音を拾いすぎてインタビュー音声が聞き取りにくくなることがほとんどです。
✏️ ポイント |
インタビュー撮影ではピンマイク(ラベリアマイク)かショットガンマイクを必ず使いましょう。音質が悪いと、どれだけ映像が美しくてもプロとの差が歴然と出てしまいます。 |
ピンマイクは5,000〜3万円、ショットガンマイクは1〜5万円程度から揃えられます。
≫ 動画撮影の基本テクニック|構図・アングル・カメラワーク |

機材を揃えたら、次は「どう撮るか」の技術面を学びましょう。プロとアマチュアの差が最も出るのは、実はこのセクションの内容かもしれません。
→ 構図の基本「三分割法」を使いこなす
映像の構図で最も基本的なルールが三分割法です。画面を縦横それぞれ3等分した格子線を引き、その交点付近に被写体を配置する考え方です。
人物を画面の中央に配置するだけでは、のっぺりした印象になりがちです。インタビューなら、顔を格子線の交点に合わせ、視線の向きに余白を作るだけで、見やすく引き締まった映像になります。
→ アングルの使い分けで「意図」を伝える
カメラのアングル(高さ)は、映像の印象を大きく左右します。
アイレベル(目線の高さ):自然で親近感がある。インタビューに最適
ローアングル(低い位置):被写体が大きく・力強く見える。製品・建物に効果的
ハイアングル(高い位置):全体を俯瞰できる。オフィス環境や作業風景に使いやすい
複数のアングルを組み合わせて撮影しておくと、編集時に映像に変化をつけやすくなります。1つのシーンを最低2〜3アングルで撮っておくと安心でしょう。
→ カメラの動かし方(カメラワーク)の基本
静止した映像ばかりでは単調になりますが、動きすぎると見づらくなります。基本の動きを覚えておきましょう。
パン:カメラを左右に水平に動かす(オフィスや工場の全景紹介に活用)
ティルト:カメラを上下に動かす(建物の外観や人物の全身を見せる)
プッシュイン/プルアウト:被写体に近づく・遠ざかる(感情を強調したいシーンに)
≫ 照明と背景の整え方|「暗い・ぼんやり」を防ぐコツ |

照明は映像のクオリティを左右する最大の要素のひとつです。「なんとなく暗い」「表情がよく見えない」という映像の多くは、照明の問題が原因です。
→ 自然光を最大限に活かす方法
屋内撮影で最も手軽なのは、窓からの自然光を使う方法です。窓を被写体の斜め前方向(45度)に配置すると、顔に自然な立体感が生まれます。
注意点は、窓を背景にすると被写体が逆光になって暗くなることです。窓は必ず「横か斜め前」に位置するよう、撮影場所を選んでください。天気の変化によって光量が変わるため、本番撮影は曇りの日よりも晴れた午前〜昼間がおすすめです。
→ 3点照明の基本セットを組む
本格的な撮影には、3点照明(キーライト・フィルライト・バックライト)が基本となります。
キーライト:メインの光源。被写体の斜め前上方に配置
フィルライト:影を和らげる補助光。キーライトの反対側に弱めに設定
バックライト:被写体の背後から当てて輪郭を際立てる
3点すべて揃えるのが理想ですが、まずキーライト1本だけでも整えると映像の印象は大きく変わります。LED照明パネルは1〜3万円程度から購入できます。
→ 背景選びで「企業らしさ」を演出する
背景は映像の世界観を決める重要な要素です。ごちゃごちゃした背景は視聴者の注意を散漫にさせてしまいます。
清潔感のある白壁・木目調の壁:信頼感・親しみやすさを演出
オフィスの奥行きを活かした背景:会社の雰囲気・規模感を伝える
単色バックドロップ(布背景):シンプルでプロっぽい印象に
背景に映り込む不要なものは、撮影前に必ず片付けておきましょう。
≫ 動画撮影の音声収録|「聞こえない動画」にしないための対策 |

映像と同じかそれ以上に重要なのが、音声のクオリティです。「映像はきれいなのに声が聞こえにくい」という動画は、最後まで視聴してもらえない可能性が高くなります。
→ 収録環境を整える3つのポイント
静かな場所を選ぶ:エアコンの音・外の車の音・蛍光灯のハム音など、思った以上に環境音は入ります。撮影前に数秒間静止して音を確認しましょう
反響を減らす:広い会議室や廊下は声が反響しやすい場所です。カーテン・ソファ・書棚のある部屋を選ぶと改善されます
マイクを近づける:マイクと口の距離は20〜30cm以内が理想。ピンマイクは胸元の衣服に固定するのが基本です
→ インタビュー撮影での音声チェック手順
インタビュー本番の前に、必ずテスト録音をしてください。手順は以下のとおりです。
マイクを接続し、カメラ側の音声レベルメーターを確認する
出演者に普通の声で話してもらい、レベルが-12〜-6dB付近に収まるよう調整する
30秒ほど録音してヘッドフォンで再生確認する
問題がなければ本番へ
💬 現場の声 |
テスト録音は「面倒くさい」と省略されがちですが、後から音声トラブルが発覚しても撮り直しは困難です。必ず本番前に確認する習慣をつけましょう。 |
≫ 撮影データの管理と編集に向けた準備 |
動画ファイルは容量が大きく、撮影後の管理を怠ると素材を紛失したり編集作業が停滞したりします。撮影と並行して、データ管理のルールを決めておきましょう。
→ 素材の保存と命名ルール
撮影素材は必ず2か所以上にバックアップしてください。PCのローカルストレージ1か所だけでは、故障や誤削除のリスクがあります。
ファイル名は「日付_場所_カット番号」など規則性を持たせると、後から探しやすくなります。たとえば「20250601_office_interview_001.mp4」のような形式が管理しやすいでしょう。
→ 編集ソフトと制作期間の目安
内製での動画編集には、Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveが広く使われています。編集未経験者でも1〜2か月の学習で基本的な編集は可能になりますが、クオリティの高い仕上がりを求めるなら専門知識が必要です。
制作方法 | 費用目安 | 制作期間 | 仕上がり品質 |
内製(スタッフ対応) | 人件費のみ | 1〜2か月 | 普通〜やや低め |
フリーランスに依頼 | 10〜30万円 | 2〜4週間 | 普通〜やや高め |
動画制作会社に依頼 | 30〜100万円 | 3〜8週間 | 高品質 |
採用動画・会社紹介動画など、企業のブランドに関わる重要な動画は、クオリティにこだわることが長期的な採用・マーケティング成果につながります。費用対効果を考えると、プロへの外注が結果的に効率的なケースも多いでしょう。
≫ よくある質問 |
Q1. スマートフォンだけで企業動画を撮影することはできますか?
A. 可能ではありますが、音声・照明・手ブレの対策を別途講じる必要があります。最新のiPhoneやAndroid端末はカメラ性能が高く、SNS用の短い動画ならスマートフォンで十分なケースもあります。ただし、採用動画や会社紹介動画など「企業の顔」となる重要なコンテンツは、ミラーレス一眼カメラ以上の機材を使用することをおすすめします。
Q2. 動画撮影に適した場所はどこですか?
A. オフィス・会議室・工場・店舗など、自社の雰囲気が伝わる場所が基本です。採用動画なら実際の職場環境、製品紹介なら製造現場や実験室が適しています。撮影場所を選ぶ際は「背景のごちゃつき」「音響環境」「照明条件」の3点を事前に確認しましょう。
Q3. 撮影から完成まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 動画制作会社に依頼した場合、企画〜納品まで3〜8週間が一般的です。内容のシンプルな1〜2分動画で約3〜4週間、複数シーンを含む会社紹介動画や採用動画は4〜8週間を目安に考えておくとよいでしょう。納期が決まっている場合は、余裕をもってご相談ください。
Q4. 動画制作会社に依頼するとどんなことをやってもらえますか?
A. 企画・脚本作成から始まり、撮影・編集・テロップ挿入・BGM選定・カラーグレーディング・納品まで、一連の工程を一括して依頼できます。Heat株式会社では、採用動画・会社紹介動画・研修動画・展示会動画など企業向け動画の企画から納品まで一貫して対応しており、全国での撮影も承っています。
≫ まとめ |
動画撮影方法についてまとめると、以下のポイントが重要です。
撮影前に「目的・ターゲット・視聴環境」を明確にする
機材はカメラ・三脚・マイクの3点をまず揃える
構図は三分割法、照明は3点照明が基本
音声収録の環境と機材を軽視しない
データ管理と編集工程も事前に計画する




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