IR動画の作り方完全ガイド|制作手順・費用・成功のポイントを解説
- 3月30日
- 読了時間: 11分
「IR動画を作りたいけれど、何から手をつければいいかわからない」「投資家にきちんと伝わる動画にするには、どんな構成が正解なの?」——そんな悩みを抱えたまま、着手できずにいる広報・IR担当者の方は多いのではないでしょうか。
IR動画は、決算説明や事業戦略を映像でわかりやすく伝えられる強力なコンテンツです。しかし、動画制作の経験が少ない担当者にとっては、制作フローも費用感もイメージしにくいもの。この記事では、IR動画の作り方を企画・撮影・編集・公開まで一連の流れに沿って解説します。
費用相場や制作期間の目安、よくある失敗例まで網羅していますので、ぜひ最後まで読んで、御社のIR動画制作に役立ててください。
≫ この記事で分かること |
≫ IR動画とは?基本をおさらいしよう |

IR動画とは、企業が投資家・株主・アナリストに向けて経営状況や事業戦略を映像で伝えるコンテンツのことです。「IR」は「Investor Relations(インベスター・リレーションズ)」の略で、直訳すると「投資家向け広報活動」になります。
近年は決算説明会や株主総会をオンライン配信する企業が増え、IR動画の需要は急速に高まっています。テキストや資料だけでは伝わりにくい「経営者の熱量」や「事業の現場感」を映像で届けられる点が、大きな強みでしょう。
→ IR動画が注目される理由
決算説明会のオンライン配信が普及し、動画コンテンツへのニーズが拡大している
テキストの決算資料よりも視聴・理解のハードルが低く、個人投資家にもリーチしやすい
経営者の表情や言葉のトーンから、企業の信頼性・透明性を伝えられる
株主総会後も動画をアーカイブ公開することで、継続的な情報発信が可能になる
→ IR動画の主な種類
種類 | 内容 | 主な活用シーン |
決算説明動画 | 四半期・通期の業績をわかりやすく解説 | 決算発表後のIRサイト掲載 |
事業紹介動画 | ビジネスモデル・強みを映像で説明 | IRサイト・説明会資料の補完 |
経営トップメッセージ動画 | CEOによる中期経営計画・ビジョンの説明 | 株主総会・アニュアルレポート |
工場・現場取材動画 | 製造現場や事業の「リアル」を映像で見せる | 投資家向けスタディツアーの代替 |
✏️ ポイント |
ポイント:IR動画はひとつに絞る必要はありません。目的と対象投資家層に合わせて、複数の種類を組み合わせる企業も増えています。 |
≫ IR動画を作る前に決めておきたいこと |

IR動画の制作を始める前に、土台となる「目的・ターゲット・メッセージ」を明確にすることが最重要です。ここが曖昧なまま撮影に入ると、出来上がった動画が「何を伝えたいのかわからない」コンテンツになってしまいます。
→ 目的とターゲットを明確にする
まず「誰に」「何を伝えるか」を一言で言えるようにしましょう。
例えば、「個人投資家に事業の成長性をわかりやすく伝えたい」のか、「機関投資家向けに中期経営計画の進捗を丁寧に説明したい」のかによって、動画の内容・尺・トーンは大きく変わります。ターゲットが違えば、最適な動画も変わるのです。
→ 伝えるべきメッセージを1つに絞る
IR動画でよくある失敗が、「あれもこれも詰め込みすぎる」ことです。1本の動画で伝えるコアメッセージは1つに絞りましょう。
視聴者が動画を見終えたとき「この企業は○○が強い会社だ」と一言で理解できる状態が理想です。複数のメッセージを伝えたいなら、複数本に分けることを検討してください。
→ 動画の尺・フォーマットを決める
用途 | 推奨尺 | 備考 |
IRサイトへの常設動画 | 3〜5分 | 長すぎると離脱率が上がる |
決算説明会の補足動画 | 5〜15分 | スライドと併用するケースが多い |
SNS・YouTube向け | 1〜3分 | 短尺でポイントを絞る |
経営トップメッセージ | 2〜4分 | 簡潔さと誠実さのバランスが重要 |
≫ IR動画の作り方|制作フロー5ステップ |

IR動画の制作は、大きく5つのステップで進みます。各ステップで何をするかを把握しておくことで、制作会社との打ち合わせもスムーズになるでしょう。
→ ステップ1:企画・構成案の作成
最初に行うのが、動画の「設計図」にあたる構成案の作成です。目的・ターゲット・伝えるメッセージをもとに、動画の流れ(構成)を設計します。
構成案には「どんな映像を使うか(出演者・インタビュー・テロップなど)」「ナレーションの有無」「BGMのトーン」なども含まれます。この段階でしっかり議論することが、後工程の手戻りを防ぐ鍵になります。
→ ステップ2:台本・絵コンテの作成
構成案が固まったら、台本(スクリプト)と絵コンテを作成します。台本は話す内容・ナレーション原稿・テロップ文字を細かく書き出したもので、絵コンテは各カットの映像イメージをラフに示したものです。
⚠️ 注意点 |
注意点:IR動画の台本には正確な数字や法的表現が含まれる場合があります。IR担当者・法務担当者による内容確認を必ず行いましょう。 |
→ ステップ3:撮影
台本・絵コンテをもとに、実際の撮影を行います。撮影場所は、オフィス・会議室・工場・スタジオなど動画の内容に合わせて選びましょう。
撮影には通常、半日〜1日程度かかります。経営トップが出演する場合はスケジュール調整が必要ですので、早めに段取りを組んでおくことが大切です。
→ ステップ4:編集・仕上げ
撮影が終わったら、映像編集・テロップ挿入・BGM・ナレーション収録・カラーグレーディングなどの作業を進めます。IR動画では特に「正確さ」と「信頼感を与えるビジュアル」が求められます。
初稿完成後は修正対応があるのが通常で、修正回数は2〜3回を目安に制作会社と事前に合意しておくと安心でしょう。
→ ステップ5:納品・公開
最終確認が終わったら、指定のファイル形式(MP4など)で納品されます。IRサイト・YouTube・説明会資料など、活用シーンに合わせてフォーマットを確認しておきましょう。公開後も定期的に動画の視聴データを確認し、次回制作の改善に活かすことをおすすめします。
≫ IR動画の費用相場と制作期間の目安 |

「IR動画ってどのくらい費用がかかるの?」は、担当者が最初に気になるポイントのひとつです。費用は動画の内容・尺・クオリティによって大きく幅がありますが、以下を参考にしてください。
→ 費用相場の目安
動画の種類・規模 | 費用の目安 | 制作期間の目安 |
シンプルな経営メッセージ動画(3〜5分) | 30〜60万円 | 3〜4週間 |
事業紹介・インタビュー動画(5〜10分) | 50〜100万円 | 4〜6週間 |
決算説明動画(スライド合成あり) | 40〜80万円 | 3〜5週間 |
工場・現場取材を含む本格制作 | 100〜200万円以上 | 6〜10週間 |
💬 現場の声 |
現場メモ:上記はあくまで目安です。出演者の数・撮影場所の数・アニメーションの有無・修正回数などによって費用は上下します。複数の制作会社から見積もりを取り、内容を比較することをおすすめします。 |
→ 費用を左右する主な要素
撮影日数:ロケ場所が複数になると撮影コストが増加する
出演者・スタッフの数:経営者インタビューのみか、社員も複数出演するかで変わる
アニメーション・CG:グラフや図解のアニメーション化は別途費用がかかることが多い
ナレーション収録:プロナレーターを起用するか、社内録音かで費用が異なる
多言語対応:英語字幕・吹き替えが必要な場合は追加費用が発生する
→ 自社制作と外注の比較
項目 | 自社制作 | 制作会社に外注 |
コスト | 低い(機材・ソフトがあれば) | 中〜高 |
クオリティ | 担当者スキルに依存 | 安定して高品質 |
工数 | 社内リソースを大きく使う | 担当者の負荷が小さい |
スピード | ノウハウがないと時間がかかる | 工程管理を任せられる |
IR特有の表現対応 | 知識が必要 | 経験ある会社なら安心 |
IR動画は企業の信頼性に直結するコンテンツです。クオリティと正確さを担保するためにも、専門の制作会社への外注をご検討ください。
≫ IR動画を成功させるための3つのポイント |

制作フローを把握しただけでは、「伝わるIR動画」はできません。ここでは、現場でよく見られる失敗を防ぐための重要ポイントを3つお伝えします。
→ ポイント1:経営者の「生の言葉」を大切にする
IR動画で最も視聴者の印象に残るのは、経営トップが語る「生の言葉」です。台本通りの硬い話し方より、少し砕けていてもリアルな言葉の方が信頼感を高めます。
「なぜこの事業をやっているのか」「どんな未来を目指しているのか」——数字だけでは伝わらない経営者の熱量を引き出すことが、良いIR動画の核心と言えるでしょう。
→ ポイント2:情報の正確さを最優先にする
IR動画に含まれる数字・業績・見通しは、投資家の判断に影響します。テロップや図解に誤りがないよう、IR担当者・法務担当者による複数回のチェックが必要不可欠です。
また「将来の業績予測」に関する表現は、金融商品取引法上の適切な免責表記が求められる場合もあります。制作会社と連携し、表現の確認を怠らないようにしましょう。
→ ポイント3:視聴環境に合わせた動画設計をする
IRサイトに掲載する動画とYouTubeで公開する動画では、最適な尺・構成・字幕の有無が異なります。また、スマートフォンで視聴するユーザーが増えているため、縦型・横型のフォーマットや文字の視認性にも気を配る必要があります。
公開前に複数デバイスで実際に確認することを、強くおすすめします。
≫ IR動画制作でよくある失敗と対策 |

良かれと思って進めたのに、出来上がった動画がうまくいかなかった——そんな経験をお持ちの担当者もいるのではないでしょうか。代表的な失敗パターンと対策を押さえておきましょう。
→ 失敗1:尺が長すぎて最後まで見てもらえない
IR動画でよくある失敗が「詰め込みすぎによる長尺化」です。一般的に5分を超えると離脱率が急増すると言われています。伝えたい情報を絞り込み、サブコンテンツは別動画に分けることをおすすめします。
→ 失敗2:制作会社とのコミュニケーション不足
イメージの共有が不十分なまま撮影に入ると、「思っていたものと違う」という事態が起こります。参考動画・トンマナの資料・詳細な構成案を事前に共有し、認識をしっかり合わせることが重要でしょう。
→ 失敗3:公開後の活用が不十分
せっかく作ったIR動画も、IRサイトに掲載するだけでは勿体ないです。YouTubeへの掲載・SNSでの発信・説明会資料への埋め込みなど、複数のチャネルで活用することで投資家へのリーチを最大化できます。
✏️ ポイント |
対策のポイント:動画制作と同時に「公開後の活用計画」も立てておきましょう。制作会社に活用シーンを伝えることで、最適なフォーマットで納品してもらえます。 |
≫ よくある質問 |
Q1. IR動画は自社で撮影しても大丈夫ですか?
A. 技術的には可能ですが、IR動画は投資家・アナリスト向けのコンテンツです。映像の品質や情報の正確さが企業の信頼性に直結するため、クオリティ担保の観点から制作会社への外注を検討されることをおすすめします。特に経営トップが出演する場合は、照明・音声・カメラワークなどプロのサポートが映像の印象を大きく変えます。
Q2. IR動画の制作にどのくらいの期間がかかりますか?
A. 内容や規模によりますが、一般的には企画から納品まで3〜8週間程度が目安です。シンプルな経営メッセージ動画なら3〜4週間、工場取材などを含む本格的な動画は6〜10週間かかることもあります。決算発表や株主総会などの公開期日がある場合は、余裕を持って相談を始めることが大切です。
Q3. 英語字幕・多言語対応は可能ですか?
A. 制作会社によって対応可否が異なりますが、外国人投資家向けを意識するなら英語字幕や英語ナレーション対応を行う会社を選ぶとよいでしょう。翻訳・ナレーション収録の費用は5〜20万円程度が目安として加算されるケースが一般的です。
Q4. 動画の修正はどのくらいまで対応してもらえますか?
A. 制作会社によって修正対応の範囲は異なります。一般的には初稿提出後に2〜3回程度の修正が含まれるケースが多いです。修正回数が多くなると追加費用が発生する場合もあるため、契約前に修正範囲・回数の条件を確認しておくとトラブルを防ぎやすくなります。
≫ まとめ |
IR動画の作り方についてまとめると、成功のカギは「事前の準備」と「目的の明確化」にあります。
目的・ターゲット・メッセージを最初に1つに絞る
企画→台本→撮影→編集→公開の5ステップで進める
費用は内容によって30〜200万円以上と幅広い
制作期間は3〜8週間を目安にスケジュールを組む
情報の正確さを最優先にし、複数回の社内チェックを行う
公開後の活用チャネルも事前に計画しておく




コメント