絵コンテの作り方完全ガイド|企業動画を成功に導く基本と実践
- 3月30日
- 読了時間: 11分
「動画制作を依頼したいけど、絵コンテって何を書けばいいの?」と戸惑っていませんか?
あるいは、制作会社とのやりとりで「絵コンテを用意してください」と言われ、困ってしまった経験はないでしょうか。
絵コンテは、動画の設計図です。これがあるとないとでは、完成品のクオリティも、制作のスムーズさも、大きく変わってきます。企業の担当者として動画制作に関わるなら、絵コンテの基本は押さえておきたいところでしょう。
この記事では、絵コンテの基本的な概念から実際の作り方・書き方のコツ、よくある失敗とその対処法まで、現場目線でわかりやすく解説します。動画制作の経験がなくても理解できるよう、丁寧に進めていきますのでご安心ください。
≫ この記事で分かること |
≫ 絵コンテとは?動画制作における役割 |

→ 絵コンテの基本的な定義
絵コンテとは、映像の各シーンをコマ割りで図示した「映像の設計図」のことです。「ストーリーボード」と呼ばれることもあります。
各コマには、映像のイメージ(スケッチ)と一緒に、カメラアングル・セリフ・ナレーション・効果音・尺(秒数)などを書き込みます。これにより、撮影前の段階で映像全体の流れを関係者全員が共有できるようになります。
絵は上手でなくても構いません。棒人間や四角い箱で人物・物体を表現する程度でも、十分に機能します。大切なのは「何が映っているか」が伝わることです。
→ なぜ絵コンテが必要なのか?
絵コンテなしで動画制作を進めると、どうなるでしょうか。
撮影現場でカメラマン・ディレクター・出演者がバラバラのイメージを持ち、混乱が生じるケースは少なくありません。結果的に撮り直しが発生し、追加費用や納期の遅延につながることもあります。
絵コンテがあれば、撮影前に認識のズレを修正できます。また、クライアントである御社が事前に映像のイメージを確認し、「思っていたのと違う」という事態を防げるのです。
💬 現場の声 |
現場では「絵コンテはコミュニケーションツール」とよく言われます。制作会社・クライアント・スタッフ全員が同じゴールを見るための共通言語が、絵コンテです。 |
→ 絵コンテが特に重要な動画ジャンル
すべての動画に絵コンテが必要というわけではありませんが、以下のような場合は特に重要になります。
採用動画・会社紹介動画:会社のブランドイメージを丁寧に伝えるもの
研修動画・説明動画:情報を正確に順序立てて伝える必要があるもの
展示会向け映像:短い尺の中でインパクトを出す必要があるもの
ナレーションや演出が入る動画:台本と映像を合わせる必要があるもの
逆に、インタビュー中心の動画や短めのドキュメンタリー形式であれば、簡易的なメモ程度で済む場合もあります。
≫ 絵コンテを作る前に準備すること |

→ 動画の目的とターゲットを明確にする
絵コンテを書き始める前に、まず「何のための動画か」を言語化しましょう。
目的が曖昧なまま制作を進めると、伝えたいことが散漫になりがちです。たとえば採用動画なら「求職者に職場の雰囲気を伝え、応募意欲を高める」という目的を明確にしておくことが重要になります。
ターゲットも同様です。20代の新卒向けなのか、30代の中途採用向けなのかによって、見せるシーンや話すトーンも変わってくるでしょう。
→ 構成台本(シナリオ)を先に作る
絵コンテを作る前には、必ず構成台本(シナリオ)を用意することをおすすめします。
台本とは、動画全体の流れをテキストで整理したものです。「最初に何を見せて、次にどんなメッセージを伝え、最後にどう締めくくるか」を文章で書き出します。
絵コンテはこの台本を「映像化」するための作業なので、台本なしにいきなり絵コンテを描こうとすると、途中で行き詰まることが多いのです。まず言葉で整理してから、映像に落とし込む順番が効率的です。
→ 動画の尺を決めておく
絵コンテを作る際、完成動画の尺(長さ)を事前に決めておくことも大切です。
たとえば1分(60秒)の動画であれば、詰め込めるシーン数はおよそ10〜20カット程度が目安になります。尺が決まると、各シーンに割り当てる秒数の見当がつき、絵コンテの枚数も自然に見えてきます。
企業向け動画の場合、採用動画は1〜3分、会社紹介動画は2〜5分、展示会向けは1〜2分が一般的な目安です。
≫ 絵コンテの基本フォーマットと書き方 |

→ 絵コンテの基本構成要素
絵コンテの1コマには、一般的に以下の情報を記入します。
項目 | 内容の例 |
カット番号 | #01、#02 など通し番号 |
映像イメージ | スケッチや図(棒人間でもOK) |
カメラアングル | アップ・引き・俯瞰・ローアングルなど |
動き・演出 | カメラパン、フェードイン、テロップ表示など |
セリフ・ナレーション | そのシーンで話す言葉 |
BGM・効果音 | 音楽のムードや効果音の指示 |
秒数(尺) | そのカットの長さ(例:3秒) |
すべてを完璧に書く必要はありませんが、少なくとも「映像イメージ・ナレーション・秒数」の3つは必ず入れるようにしましょう。
→ カメラアングルの基本知識
絵コンテを書く上で、よく使うカメラアングルの種類を知っておくと便利です。
バストショット:人物の胸から上を映す。インタビューや説明シーンでよく使う
フルショット:人物を全身で映す。職場環境や動きのあるシーンに向いている
アップ(クローズアップ):顔や製品の細部を大きく映す。感情や詳細を伝えたいときに有効
引き(ロングショット):被写体を遠くから映す。場所・環境・雰囲気の説明に使う
俯瞰(バーズアイ):真上や高い位置から見下ろす。全体像を示したいときに活用
これらを意識してコマを描くと、映像のリズムや緩急が生まれ、完成動画のクオリティが上がります。
→ 手描きとデジタル、どちらで作る?
絵コンテは手描きでもデジタルツールでも作れます。それぞれの特徴を比べてみましょう。
方法 | メリット | デメリット |
手描き | すぐに始められる・修正が直感的 | 共有しにくい・管理が煩雑になりやすい |
PowerPoint・Keynote | 共有しやすい・修正が簡単 | 図の作成に少し手間がかかる |
専用ツール(Canvaなど) | テンプレートが使える・見栄えが良い | 操作を覚える手間がある |
初めて絵コンテを作るなら、PowerPointにテンプレートを作って使う方法が最もバランスが良いでしょう。コマの枠を作ったシートを用意し、そこにシーンのスケッチを描き込んでいく形が、修正・共有ともにやりやすいです。
≫ 企業動画に役立つ絵コンテの作り方ステップ |

→ ステップ1:シーンを大まかにブロック分けする
最初から細かいカットを考えるのではなく、まず動画全体を大きなブロックに分けましょう。
たとえば採用動画(2分)であれば、以下のような構成になるでしょう。
オープニング(15秒):会社の雰囲気を伝える映像・音楽
インタビューパート(60秒):社員2〜3名が仕事の魅力を語る
職場・業務紹介(30秒):オフィスや業務シーンの映像
クロージング(15秒):採用メッセージ・求人情報・ロゴ
このように大枠を決めてから、各ブロックの中を細分化していくと、絵コンテの全体設計が迷子になりにくくなります。
→ ステップ2:各シーンのカットを描き込む
ブロックが決まったら、各シーンのカットを絵コンテに落とし込みます。
1コマにつき1カットが基本です。映像のスケッチを描き、カメラアングルをメモし、そのシーンに流れるナレーションや台詞を書き添えます。秒数も忘れずに記入しましょう。
✏️ ポイント |
ポイント:絵は上手でなくて大丈夫です。「人が立っている」「物が映っている」「テキストが表示される」といった情報が伝われば十分です。見栄えより情報の正確さを優先してください。 |
→ ステップ3:関係者でレビューし、修正する
絵コンテの初稿が完成したら、社内の関係者(上司・広報担当・人事担当など)に見せてフィードバックをもらいましょう。
このタイミングで「このシーンは不要」「この順番を入れ替えたい」といった意見が出てくるのは自然なことです。絵コンテの段階で修正するのは、撮影後に修正するよりコストも時間も大幅に少なくて済みます。
最終的に絵コンテが承認されたら、制作会社へ共有します。認識のすり合わせを丁寧に行うことで、スムーズな撮影・編集につながります。
≫ 絵コンテ作りでよくある失敗と対処法 |

→ 失敗1:情報を詰め込みすぎる
「伝えたいことが多いから、できるだけ多くのシーンを入れたい」という気持ちは理解できます。しかし、情報を詰め込みすぎた動画は、視聴者に何も伝わらないことが多いのです。
1本の動画で伝えるメッセージは1〜2つに絞ることを強くおすすめします。たとえば採用動画なら「働く人の人柄」に絞るか、「業務の面白さ」に絞るか、どちらかを優先する判断が必要になります。
→ 失敗2:カットが単調になる
すべてのシーンが「人物が正面を向いてしゃべる」だけだと、視聴者は途中で飽きてしまいます。
バストショットとフルショットを交互に使ったり、インタビューの合間に職場や業務の映像(Bロール)を挿入したりすることで、映像にリズムが生まれます。絵コンテの段階でカットの種類が偏っていないか確認してみてください。
→ 失敗3:ナレーションと映像がバラバラ
「ナレーションで○○と言っているのに、映像には全く関係ない場面が映っている」という状態は、視聴者の混乱を招きます。
絵コンテを見直す際は、ナレーションのテキストと映像のスケッチを横に並べて、内容が連動しているかチェックしましょう。「映像とナレーションが一致しているか」は、完成品のクオリティを左右する重要なポイントです。
≫ 制作会社に任せる場合の絵コンテの流れ |

→ プロが作る絵コンテのプロセス
制作会社に動画を依頼した場合、絵コンテはどのように作られるのでしょうか。
一般的な流れは以下のとおりです。
ヒアリング:目的・ターゲット・予算・スケジュールなどを確認(1〜2回)
企画・構成提案:ディレクターが動画の方向性と構成案を提出(5〜7営業日)
絵コンテ作成:構成案に基づいて絵コンテを制作(3〜5営業日)
クライアント確認・修正:御社がチェックし、必要に応じて修正
撮影・編集・納品へ進む
この流れでは、ステップ4の「クライアント確認」がとても重要です。ここで丁寧に確認・修正を行うことが、最終的な完成品の満足度に直結します。
→ 担当者が事前に準備しておくと助かること
制作会社の立場からすると、担当者の方が以下を事前に整理してくれていると、絵コンテの精度が高まり、スピードも上がります。
動画の目的と訴求ポイント(何を伝えたいか)
ターゲット(誰に見てほしいか)
参考にしたい動画のURL(雰囲気・テイストのイメージ)
撮影可能な場所・人物・日程の概要
これらを事前に用意しておくだけで、ヒアリング〜絵コンテ完成までの時間が30〜50%短縮できることもあります。ぜひ準備してみてください。
→ 絵コンテ込みの動画制作費の目安
参考として、企業向け動画制作の費用感をまとめます。
動画の種類 | 尺の目安 | 費用の目安 |
採用動画 | 1〜3分 | 30〜100万円 |
会社紹介動画 | 2〜5分 | 40〜120万円 |
研修・説明動画 | 3〜10分 | 20〜80万円 |
展示会向け映像 | 1〜2分 | 30〜80万円 |
※費用は構成の複雑さ・撮影日数・出演者・アニメーションの有無などによって変動します。上記はあくまでも目安です。
≫ よくある質問 |
→ Q1. 絵コンテは必ず手描きで作らないといけませんか?
手描きである必要はありません。PowerPoint・Keynote・Canvaなどのデジタルツールで作ってもまったく問題ないでしょう。棒人間や矢印で形を示す程度でも、情報が伝われば十分です。大切なのは「絵の上手さ」ではなく「映像のイメージが共有できるか」です。
→ Q2. 絵コンテを制作会社に作ってもらうことはできますか?
できます。多くの制作会社では、企画・構成・絵コンテの作成を含むトータルサポートを行っています。Heatでも、ヒアリングをもとにプロのディレクターが絵コンテを作成し、御社にご確認いただく流れで進めています。「自分では作れない」と感じる場合は、ぜひ相談してみてください。
→ Q3. 絵コンテの修正は何回まで対応してもらえますか?
制作会社によって異なりますが、一般的には2〜3回の修正が契約に含まれていることが多いです。それ以上の修正が発生した場合は、追加費用が発生するケースもあります。最初のヒアリングの段階で目的・イメージをしっかり伝えておくことが、修正回数を減らす一番の対策になります。
→ Q4. 絵コンテの確認にはどのくらい時間がかかりますか?
御社側の確認期間として、3〜5営業日を見ておくとよいでしょう。社内の承認フローが長い場合は、そのぶん余裕を持ったスケジュールで進めることをおすすめします。撮影日から逆算して、絵コンテ確認のタイミングを早めに設定しておくと安心です。
≫ まとめ |
絵コンテの作り方についてまとめると、以下のポイントが特に重要です。
絵コンテは映像の設計図であり、関係者全員の認識を揃えるコミュニケーションツール
作る前に「目的・ターゲット・尺」を決め、構成台本を先に用意する
1コマには「映像スケッチ・カメラアングル・ナレーション・秒数」を記入する
絵は上手でなくてよい。伝わることが最優先
情報の詰め込みすぎ・単調なカット・ナレーションと映像のズレに注意する
制作会社に依頼する場合は、ヒアリング時に目的・参考動画・撮影条件を整理して伝える




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